住宅ローンの審査に通らない理由は?事前審査・本審査を通すための対策
こんにちは。COZYの堀です。
新築住宅を購入する方の多くが住宅ローンを利用されることと思います。
ですが、「住宅ローンの審査に落ちることもあると聞くけど、うちは大丈夫だろうか」と不安を感じていらっしゃる方が、COZYのお客様の中でもけっこう多いんですよね。
ローン審査に通らない理由を金融機関が開示することはありませんが、審査に通りにくいケースはだいたい決まっていますから、そこを回避できるよう、事前に着手できるところから進めていきましょう。
また、残念ながら住宅ローンの審査に落ちてしまったという場合もまだ希望はありますよ!
今回は、住宅ローンの事前審査、本審査に通りにくいケースをご紹介しながら、事前にできる準備、万が一審査に通らなかった場合の対策まで詳しくご紹介します!
住宅ローンの事前審査、本審査に通らない理由は?
住宅ローンの審査には、事前審査と本審査という2つの審査があります。
本審査に進むためには、まず事前審査を突破しなければなりません。
事前審査では、申込者に返済能力があるかどうかが最も重要となります。
住宅ローンの事前審査に通りにくいケースをいくつか挙げてみます。
【事前審査に通りにくいケース】
住宅ローンの事前審査に通りにくいケースと気をつけたいポイントを7つご紹介します。
1.収入が低い・安定しない
住宅ローンの返済に直結する部分ですから、収入についてはかなり重視されているはずです。
金融機関によっては、あらかじめ収入額の最低基準が決まっているところがあり、北海道では年収300万円がボーダーライン。
年収400万円を超えていれば、住宅ローンの審査に通りやすいと考えていいでしょう。
派遣社員や契約社員、フリーターの場合は収入のボーダーに届きづらく、収入が安定しない場合もあるため、審査に通らない可能性が高くなります。
自営業やフリーランスの場合も、「収入が安定しづらい」という理由で審査に通りづらくなることがあります。
ただし、収入が高くても、借入額が大きすぎれば通らないこともありますので注意しておきましょう。
2.勤続年数が短い
勤続年数が短いというのも、審査が通らない理由の一つ。
例えば、転職して間もないというケースです。
勤続年数2年~3年以上がベストですが、最近は1年あれば検討してくれる金融機関も多いようです。
ローンの種類によっては1カ月でも通る場合があるので、勤続年数が短いというだけで審査に落ちることはありません。
ただし年収が低かったり、信用情報に心配があるなど他の理由も懸念される場合は注意が必要です。
また、金融機関は勤務先の規模についても企業のホームページなどを見て調べます。
例えば、勤続年数が短くて収入が少なく、会社の規模も小さいとなるとローンの審査に通るのは難しい可能性も。
逆に、勤続年数と収入が同じ条件だとしても、公務員の方であれば今後の収入が安定すると見込まれるので有利になる場合もあります。
住宅ローンと勤続年数の関係については「住宅ローンと勤続年数の関係を解説!転職で勤続年数が短くても大丈夫?」で詳しくお話していますので、こちらも参考にしてみてくださいね!
3.個人信用情報に傷が付いている
事前審査に通らない理由としては、「個人信用情報に傷が付いていること」が一番多いです。
信用情報とはクレジットカードなどのローン返済実績に関する記録のこと。
過去に返済を遅延したことがあり、さらにその回数が多ければ多いほど難しくなります。
盲点といえるのが、携帯電話の端末代金。
金額が小さいので見落としがちですが、2年間払い続ける毎月の割賦金も「ローン」の一種です。
端末代金を自動引き落としではなく振り込みで支払っている人は注意してください。
「うっかり期日を過ぎてしまった!」なんてよくあることですが、これも遅延とみなされますよ。
特に返済期日から60日を超えて遅延した履歴があれば、「異動」という専門用語で登録されます。
異動と登録されている場合、審査に出してほんの数時間でNGの判断が下されることもあり、門前払い同然で断られてしまいます。
先輩方に聞いても、「異動」が付いていて審査に通ったケースは見たことがないとのこと。
信用情報に不安のある方は、CIC、KSC、JICCといった個人信用情報機関からご自分の信用情報を開示してもらうことが可能です。
情報開示料も500円~1,000円なので、審査の申し込みの前に一度確認してみるといいかもしれませんね。
4.住宅ローン以外の借り入れが多い
車のローンやリボ払い、消費者金融など、住宅ローン以外の借入が多ければ多いほど不利になります。
住宅ローンの審査では、各金融機関が独自に定めている「返済負担率」が見られます。
返済負担率とは、収入に対しての返済額の割合を指し、「収入が◯◯万円未満なら返済の負担率は○○%まで」と決められています。
この返済負担率は、住宅ローンの返済だけでなく、その他のローンとの合算で算出されます。
借入が多いと、決められた範囲の返済負担率ギリギリになってしまったり、オーバーしてしまったりする可能性も。
オーバーまでしていなくても、ギリギリで審査に落ちてしまうという例もあるようです。
他の借入が複数ある場合は注意しておきたい点の一つです。
また、奨学金も借り入れの一つとして審査時に申告が必要になります。
詳しくは「奨学金返済中でも住宅ローンは組める!その影響や注意点を解説!」でご紹介しておりますので、チェックしてみてくださいね。
5.年齢が高い
住宅ローンでの事前審査では、年齢が見られることも多いです。
例えば、40歳を過ぎてから35年で住宅ローンを組もうとすると、完済するのは75歳。
一般的な給与所得者であれば、定年退職をして年金暮らしをしている年齢です。
その生活の中でしっかりとローンを返済していけるのか、というのも審査のポイントになります。
完済時の年齢上限については、75歳、80歳などと定められている場合もあります。
6.健康状態に不安がある
一般的に住宅ローンを組む時には、契約者が死亡または高度障害を持つ状態になった時に備える「団体信用生命保険」がセットになります。
審査の時点でこの保険に入れない健康状態の場合は、残念ながらお金を貸してもらえません。
団体信用生命保険については、「住宅ローンと団体信用生命保険はセット!生命保険も一緒に見直そう」でもご紹介しています。
こちらのコラムも参考にしてみてくださいね!
7.自営業である
自営業の方が確定申告をする際、税金対策として所得額を抑えて申告してしまうと、ローン審査の通過が難しくなるため、かなり借入しにくくなります。
決算書も見られるので、そこから推測される経営状況が事前審査の結果に直結します。
また、自営業の場合は確定申告書類を過去3年分提出する必要があります。
そのため、事業をスタートしてから3年以内の場合は住宅ローンを組むことが難しいといえます。
番外編:住宅ローン審査は意外なところも見られている!
「えっ、こんなことで!」と驚くのが、運転免許証の紛失回数。
金融機関によっては「紛失回数が多い」というだけで落とされます。
クレジットカードの保有枚数も意外なチェックポイントです。
2~3枚ならいいのですが、6~7枚、多ければ10枚以上持っている方もいますよね。
「クレジットカード=キャッシングできるカード」ですから、キャッシング利用枠も借入として計算されてしまうんです。
住宅ローンの事前審査にかかる期間や必要な書類も確認
審査が下るまでは、1週間から2週間くらいです。
事前審査には証明書類が必要な金融機関と必要のない金融機関があります。
ネット銀行などでは、事前審査は自己申告で、証明書類を用意する必要がない場合が多いようです。
書類が必要となる場合、提出するものは住宅ローン借入申込書、印鑑、本人確認書類、物件資料に加え、源泉徴収票など。
自営業か給与所得者かによっても必要な書類は異なりますので、各金融機関で確認してくださいね!
【本審査に通らないケース】
住宅ローンの事前審査が通れば、本審査は割とスムーズにいく方がほとんどですが、事前審査の内容と相違があると落とされる可能性が高くなります。
提出書類が違う、事前審査の後に転職をしてしまって収入の安定性が担保できなくなった、車など他のローンを新たに組んでしまったということも「相違」と捉えられてしまいます。
事前審査で申告したことと本審査で申告したことに違いがないよう、事前審査で申告した内容をきちんと控えておきましょう。
さらに、本審査では事前審査でチェックされた項目をより厳しく見られるほか、担保となる物件が担保基準を満たしているかなど、事前審査では見られなかった項目も追加されます。
そういう意味では、事前審査に合格したからといって本審査にも100%合格するとは限らないという点には注意が必要です。
本審査の結果が出るのも、だいたい1週間から2週間程度。
そうして審査を通過したら、いよいよ住宅ローンを契約し、借入という流れになります。
住宅ローンは金額が大きいため、すぐに借入ができるわけではありません。
余裕を持った申し込みをしておきましょう。
住宅ローンの事前審査・本審査を通すための対策
住宅ローンの事前審査、本審査を通すための対策はあるのでしょうか。
住宅ローンの審査に臨む前にしておいたほうがいいことは、次の4点です。
1.信用情報を確認する
返済の遅延による信用情報の傷は、住宅ローンを組むに当たってはかなりの痛手。
個人信用情報に傷が付いているかどうかは、情報公開料500円~1,000円程度で個人信用情報機関に確認できるので、一度チェックしてみてください。
もし傷が付いていた場合、今すでにあるものは仕方ないとして、これ以上増えないように努力することが必要です。
携帯電話の端末代のように、うっかり支払いが遅れるのはよくあることですが、今からでもとにかく遅延しないよう気を付けることが大事です。
具体的には、支払い方法を振り込みではなく引き落としに変更する、口座を1つにまとめるなどするといいでしょう。
「引き落としがされていなかった」というのも案外落とし穴になりがち。
ご自身のお金の動きを定期的にチェックすることを習慣づけておくと間違いないと思います。
2.配偶者の収入を合算する
「収入が少ないから住宅ローン審査に通らないかも…」と心配なら、配偶者の収入を合算するという手もあります。
例えば、ご主人の収入に奥様が半年パートで働いた収入を足せば世帯年収として見てもらえます。
ご希望通りの借入額に届かないかも、というときにも借入額の上限が変わるので有効です。
共働き世帯の場合は、収入の合算で審査に臨んでみましょう。
3.転職のタイミングを検討する
子どもが生まれたことなどをきっかけに、将来を見据えてマイホーム購入と転職を同時に考える方も多いです。
でも、転職が先になると勤続年数の関係で住宅ローンを組みづらくなることがあります。
今の職場にいるうちにマイホームを検討した方がいいですね。
4、住宅ローン以外のローンを借りない、増やさない
住宅ローン以外での借入が多く返済負担率が高くなりそうなら、事前審査に通るために住宅ローンの借入額を減らさざるを得ないなんてことも。
もし払えるものがあるなら、一括で完済してしまうのが理想です。
例えば車の購入など、ローンを組んで大きな買い物をする予定があるなら、やっぱり家の購入を優先にするのがベターです。
金融機関によっては、他のローンを完済することを条件に希望額を満額で貸しますよ、というところもあります。
そんなときは、今抱えているローンの支払いを親御さんに一時的に肩代わりしてもらうなど、とにかく完済してしまうことをおすすめしています。
車のローンと住宅ローンについては「住宅ローンと自動車ローンは同時に組める?一つにまとめられる?」もぜひ参考にしてみてくださいね!
また、クレジットカードを使う時にリボ払いなどの分割払いを好む方もいますが、審査の際はこれもローンとみなされます。
クレジットカードを利用する際は、できるだけ一括で支払いましょう。
キャッシングも使い過ぎには要注意です。
住宅ローンの事前審査・本審査に落ちた場合は?対処法をご紹介
「不安を感じつつも勇気を出して事前審査を受けた!…なのに通らなかった!」となると、当然落ち込みますよね。
落ちたことがわかったときにまずやってはいけないことは、「むやみに他の金融機関に申し込むこと」。
先ほどご紹介した「個人信用情報機関」には、「住宅ローンの審査に落ちた」という事実も記録されてしまうんです。
別の金融機関でも当然個人信用情報をチェックしますから、「この人は最近住宅ローン審査に落ちているけどなんでだろう…まだちょっと危ないかな」と判断されることがあります。
住宅ローン審査の情報が登録されている期間は6カ月。
少なくとも次の申し込みまでは6カ月以上空けて、その間に審査に落ちた原因を探り、対処法を実行していきましょう。
信用情報が問題の可能性がある場合
事前審査に落ちる理由として、信用情報に問題がある場合が多いことを挙げました。
「信用情報の傷はずっと残ってしまうんでしょう?」「これで私たちはもうお家を持てないの?」とがっかりされる方がいますが、まだ諦めないでください。
信用情報には保有期限があり、その情報がいつまで有効であるかをご自身で確認することができます。
保有期限は支払い完了後から5年間は保持され、それ以降は消去されます。
保有期限を過ぎれば再び審査に出せるようになるので、その時までに事前準備をしっかりしておけばいいんです!
保有期限が過ぎた頃にはしっかり審査に通れるように、身の回りの借入はしっかり整理し、新しく傷をつけないよう注意しておきましょう。
勤続年数や収入、持病が原因の可能性がある場合
勤続年数が短い、持病があるといった方は「フラット35」の利用を検討してみましょう。
フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構(国土交通省と財務省が管轄する独立行政法人)が提携して提供する住宅ローン。
年収や勤務年数の縛りがないほか、団体信用生命保険に加入しなくても住宅ローンを組めるため、健康上の不安があっても利用することは可能です。
また年収に不安がある場合は、頭金の額を増やすことも視野に入れると良いでしょう。
住宅購入の時期を見直して貯金をする期間を設けたり、車の購入費用として貯金しておいた分を頭金に回すなど、可能な範囲で対策をできると良いですね。
自営業の方で、所得を抑えて申告したことが原因と考えられる場合は、直前の確定申告の内容について修正申告を行えば、審査に通りやすくなる場合があります。
もちろん税金の追加徴収に応じなければいけませんが、住宅ローンの借入額を考えたら損得は明らかです。
年齢が原因の可能性がある場合
年齢が比較的高く、完済時の年齢が定年を過ぎてしまっているという場合は、親子リレーローンという方法もあります。
親子リレーローンとは、親子で住宅ローンを組み、2世代で住宅ローンを返済していく制度のこと。
そのため、途中から返済を子どもに引き継ぐことが可能です。
親子リレーローンを検討する場合は、しっかり親子での話し合いの場を設けましょう。
また、月々の負担は増えてしまいますが、返済期間を見直し、少しでも早く完済できるように調整することも可能です。
ご自身の環境や経済状況を見ながら、どのように対応していくか決めていきましょう。
住宅のプロに相談するのもおすすめ
最後に、意外な話をもう一つ。
銀行って、タイミングによって借りやすいところと借りにくいところがあるんですよ。
以前は住宅ローン審査が厳しかったのに、業界内の情勢や状況に応じて条件を緩める場合があるので、私たち自身も「この状況で通った」「これでもまだ通るのか!」と驚くことがあります。
不安があっても、まずは審査に出してみなければ結果はわかりません。
明示されている各金融機関の条件を満たしているのならば、諦めてしまわずに審査に申し込んでみましょう。
お客様個々の状況に合わせた住宅ローンを選ぶには、勇気を出してハウスメーカーに足を運び、一度プロに相談するのもおすすめ。
リアルタイムの審査事情を感じ取ることができるのは、常に銀行と付き合う仕事をしている私たちハウスメーカーの強みです。
インターネットで審査の概要を知ることはできますが、実際にはさまざまな観点からチェックされるので、概要は概要に過ぎず、仮の話でしかありません。
また、住宅ローンの審査に落ちた理由を金融機関が開示することはありませんが、経験を積んだハウスメーカーであれば、ある程度は原因を推測できますし、対策を立てることも可能です。
札幌COZYのお家の相談窓口では、住宅のプロによるあらゆるアドバイスを受けられます。
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合でも、私たちが全力で探しますので、その点は安心してお任せください。
オープンハウス見学でも、事前予約の際に「住宅ローンのことをメインに聞きたい」とご希望いただければ、わかりやすい資料をしっかり用意してお待ちしています。
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ぜひお気軽にご相談くださいね。
住宅ローンの審査が通らない理由を知り、事前に対策を
住宅ローンの事前審査に通らない要因となるのは簡単にまとめると以下の7つです。
- 収入が低い・安定しない
- 勤続年数が短い
- 個人信用情報に傷が付いている
- 住f宅ローン以外の借り入れが多い
- 年齢が高い
- 健康状態に不安がある
- 自営業である
住宅ローンの事前審査、本審査を通すための対策についても確認しておきましょう。
- 信用情報を確認する
- 配偶者の収入を合算する
- 転職のタイミングを検討する
- 住宅ローン以外のローンを借りない、増やさない
信用情報に問題があった場合も、永久に住宅ローンが組めない訳ではありません。
借入額を完済して5年以上経てば、またローンを組めるようになります。
共働きの場合は配偶者の収入を合算して審査に申し込んだり、勤続年数の関係で住宅ローンを組みづらくなるので転職の時期を検討し直したりと、事前に対策できることもあります。
住宅ローン以外のローンを借りたり、増やさないことも大切。
車の購入は住宅購入後に回す、返済期間を見直すなども検討してみましょう。
また、住宅ローン以外のローンの返済を遅延しない、返済期限を過ぎたとしてもなるべく早く支払いを済ませるといったことは普段から気を付けてくださいね。
これらの対策は、住宅ローンそのものの返済にも直結するポイントなので、しっかりと心がけましょう。
住宅ローン選びや「審査に通らないのではないか」と悩んでいる方は、住宅のプロに相談するのもおすすめですよ!