住宅ローンの収入合算とは?ペアローンとの違いや注意点まで詳しく解説
こんにちは。COZYの竹本です。
住宅ローンの金利が史上最低などといわれる今、20代~30代の若い世代にも新築を建てようと考える方が増えています。
ただ、お給料によっては、「住宅ローンの借入希望額にちょっと届かないかなあ」という時もありますよね。
そんな場合にご検討いただくのがご夫婦での収入合算。
COZYのお客様にも、最近は収入合算でローンを組む方が増えてきています。
住宅ローンの借入額に関して同じような不安をお持ちの方、ぜひご一読ください!
住宅ローンの収入合算とは?ペアローンとの違いも確認
住宅ローンの収入合算とは、ご夫婦の収入を合わせた金額を「年収」として事前審査を受けること。
例えばご主人が正社員、奥様がパートで働いているケースだと、住宅ローンの債務者となるのはご主人ですが、ご主人が単独でローンを組む場合はご主人の収入分のみが審査の対象となります。
それが、収入合算でローンを組むとご主人の収入に奥様のパート収入を加えた金額を年収として申告することができるので、借入可能な金額が上がる可能性が高くなります。
ご主人の収入だけでは希望通りの額が借りられないかも…という時に使うと便利な方法です。
ご夫婦2人の収入を合わせて借りる方法としては、ほかにペアローンという手もあります。
こちらはご夫婦それぞれがローンの債務者となるので、奥様はパート勤務ではなく正社員もしくは相応の収入がある方に限定されます。
契約の条件は銀行によって少しずつ異なりますが、まずはご主人が単独でローンを組む場合の条件として、ある銀行の例を見てみましょう。
単独でローンを組む場合の条件
- 借入申込時の年齢が20~65歳かつ完済時の年齢が80歳未満
- 団体信用生命保険の加入資格がある
- 連続して就業2年以上かつ前年度年収300万円以上(経費控除後)の所得がある
- 日本国籍または永住資格を有すること(または配偶者がいずれかに該当し、かつその配偶者が連帯保証人となること)
次にご主人を主債務者、奥様を合算者として収入合算する場合はこちらです。
収入合算でローンを組む場合の条件
<主債務者>
- 借入申込時の年齢が20~65歳かつ完済時の年齢が80歳未満
- 団体信用生命保険の加入資格がある
- 連続して就業2年以上かつ前年度年収200万円以上(経費控除後)の所得がある
※自営業の場合は連続して就業2年以上かつ前年度収入300万円以上(経費控除後)の所得がある - 日本国籍または永住資格を有すること(または配偶者がいずれかに該当し、かつその配偶者が連帯保証人となること)
<合算者>
- 主債務者と同居する配偶者、父母、義父母、子、またはこの配偶者いずれかである(婚約者はローン契約時までに入籍が確認できる公的書類が必要)
そして、ペアローンを組む場合の条件だとこうなります。
ペアローンでローンを組む場合の条件
- 一定収入のある同居親族2名それぞれが主債務者として契約する
- 同居親族との関係は夫婦または一親等
- それぞれが互いに相手の連帯保証人となる
- 単独でローンを組む場合の条件をそれぞれが満たす
- 合算後の借入申込額が500万円以上である
- 融資対象の物件を2名の共同名義とする
収入合算とペアローンとの一番大きな違いは、ローンの契約が1本か2本かというところです。
ペアローンだと2人とも主債務者になるので、それぞれに一定以上の収入が求められます。
その点、収入合算は主債務者の収入が条件を満たしていれば合算者の収入は少なくてもいいので、利用できる方の幅が広いように思います。
住宅ローンはどれを選べば良い?それぞれのメリットも判断基準に
住宅ローンの組み方として単独、収入合算、ペアローンという3つの方法を挙げましたが、ご夫婦のお客様と仮定して、それぞれがどんな方に向いているかご説明します。
単独が向いているタイプ
ご夫婦のどちらかが正社員、または相応の職に就いていて、希望通りの借入額が認められそうなほど十分な収入があるのなら単独名義で住宅ローンを組んでも何も問題ありません。
実際COZYに相談に見えるお客様のお話を伺うと、これから子どもが生まれる、またはまだ子どもが小さいという若い方も多くいらっしゃいます。
奥様が働いていても時短勤務だったり、扶養内で調整していたりするので、できれば債務を負わせたくないというご主人が単独で住宅ローンを組むケースが多いです。
収入合算が向いているタイプ
夫婦共働きで、どちらか片方の収入だけでは希望通りの借入額が認められないかもしれない時に住宅ローンの収入合算を使うと便利です。
奥様が時短勤務でも扶養内で調整していても、ご主人の収入に奥様の収入を足して審査にかけることができるので、借入額がアップする可能性があります。
合算者である奥様を連帯債務者とする金融機関もあり、主債務者の返済が滞った場合は代わりにお金を返す必要がありますが、ご主人に万一のことがあった場合は団体信用生命保険で残債が支払われます。
ペアローンが向いているタイプ
共働きで、2人ともバリバリ稼いでいるご夫婦にはペアローンが向いています。
街なかの利便性のいい場所にお家を建てたいとなると土地代だけでもかなりの額になりますが、それなりの収入のある2人なら多めに借り入れできるかもしれません。
住宅ローン控除もそれぞれに申請できるので、還付金を最大限に受け取ることができます。
ただ契約が2本になる分、事務手数料や諸費用も2倍に。
どちらかが万が一死亡・高度障害状態になってしまった場合も、遺された方の債務はなくなりません。
実はCOZYのお客様からはペアローンのご相談・ご質問は受けたことがないんですよね。
道内の地銀でもペアローンを扱っているところはあまりないようで、仮にお客様からペアローンを組みたいと相談されたとしたら、大手銀行の札幌支店をご案内することになると思います。
そこまで高額の借入を希望される方が少ないこともありますが、やっぱり「夫婦2人で債務を負うのはちょっと…」と考える方が多いのかもしれません。
また、どちらかが退職すれば返済が一気に苦しくなりますし、離婚する場合に共同名義の家を売るか名義変更するかで意見が分かれるとなかなか面倒なことに。
(売却するならそれぞれに取り分があるのでそれはそれでいいですが…)
こういう懸念がちょっとでも頭の隅にあるなら、ペアローンは避けておいた方がよさそうです。
住宅ローンで収入合算にする場合の注意点は?
住宅ローンの収入合算は借入額を増やすいい方法ですが、いくつか注意していただきたいポイントがあります。
まず、合算者を「連帯債務者」という扱いにする金融機関もあることを覚えておいてください。
以前は連帯保証人と連帯債務者のどちらにするか選べるようになっていましたが、例えば北海道銀行さんや北洋銀行さんは連帯保証人という枠を廃止し、合算者=連帯債務者としました。
違いをわかりやすく説明すると、主債務者の支払いが滞った場合、連帯保証人は金融機関から「払ってって伝えておいてね」と言われるだけで済みますが、連帯債務者は「代わりにあなたが払って」と迫られ、これを拒絶することはできません。
もし離婚してしまったとしても債務は消えないので、なかなか厄介なことに。
しかも家の名義人は主債務者ですから、合算者が自分の収入からいくら返済に充てたとしても、離婚後に家を売って得たお金を主債務者が合算者に分ける義務はないことになります。
また、合算者は団体信用生命保険に加入できない、住宅ローン控除を受けられないといったこともあるので、この点も判断の参考にしてみてください。
収入合算についてご夫婦2人でローンを組む前提でお話ししてきましたが、結局ライフイベントって何が起こるかわかりません。
私たちCOZYスタッフは「暮らしを楽しみましょう!」というスタンスでお家づくりのお手伝いをしているので、お客様には「お家そのものにあまりお金をかけ過ぎないようにしましょうね」とお伝えしています。
ですから借入額を増やすためにいろいろ工夫してそれでローンを組めたとしても、それって本当に払っていけるのか、暮らしと趣味を楽しみながら返済できる計画なのだろうかっていうところが一番気になってしまうんです。
今は奥様がパートで働くことができていても、お子さんが生まれたら?兄弟が増えたら?…と考えていくと、当初の計画に無理が出てくる可能性もないとはいえません。
「借入額を増やさなきゃ!」と収入合算を視野に入れるのと同時に、合算しなくても支払える計画をもう一度最初に立ち返って考えてみるのもアリかも。
私たちはそこを一緒に考えていけたらいいなと思っています。
ご相談は随時受け付けていますので、COZYの「お家づくりの相談窓口」よりお気軽にご予約くださいね。
収入合算で住宅ローンを申し込む方法&住宅ローン控除を受けるには?
住宅ローンの収入合算の申し込みは主債務者のみの手続きで済みます。
主債務者の情報を書き込む欄の一つに「同居家族の有無」という項目があるのでそこにチェック。
その家族の年収を記入する欄に合算者の年収を書くだけです。
一般的には合算者の給与明細や源泉徴収票の添付も必要ありません。
(住宅ローン審査には不要でも、当社では念のため給与明細を確認させていただいています)
提出先の金融機関では「世帯収入」として審査にかけられます。
住宅ローン控除は、最大10年間にわたって、毎年末にローン残高の0.7%程度が所得税から還付される制度。
控除を受けるためには、家を建てた翌年の初めに1回だけ確定申告を行います。
借入額が3,000万円なら最初の還付金額は21万円。
返済とともにローン残高は減るので還付金額もだんだん減りますが、年末に還付金が振り込まれるとちょっとボーナスが増えたような気がしてうれしいですよね。
住宅ローンの収入合算はもうちょっと借入額を増やしたい人におすすめ
住宅ローンの収入合算とは、ご夫婦の収入を合わせた金額を「年収」として事前審査を受けること。
ご夫婦どちらかの収入だけでは希望通りの額が借りられないかも…という時、もう片方がパート勤務だとしても世帯収入として金額を上げることができるので、借入額を増やせる可能性があります。
2人とも一定以上の収入が求められ、それぞれが主債務者になるペアローンと比べると、契約が1本で済み、主債務者の収入が条件を満たしていれば合算者の収入は少なくてもいい収入合算のほうが利用しやすいのではないでしょうか。
ご夫婦どちらかが十分な収入を得ている場合は単独のローンで問題なく、片方だけではちょっと足りない心配があるなら収入合算、2人ともバリバリ稼いでいるならペアローンのようにご夫婦の収入状況にあわせて選びましょう。
住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けると考えると、ローンの組み方を選ぶ時の参考になります。
住宅ローンの収入合算を選んだ場合、注意していただきたいポイントとして合算者は連帯債務者として主債務者同様に返済の義務を負う場合もあることを知っておいてくださいね。
住宅ローンのこと含め、お家づくりの資金計画に悩んだときは、私たちハウスメーカーにもお気軽にご相談くださいね!