火災保険と地震保険の違いとは?2つの違いから見る保険の必要性
こんにちは。COZYの宇佐美です。
2018年9月に起きた北海道胆振東部地震。
北海道では大きな地震がほとんど起きないと考えられていましたが、今回のことで日頃の備えを見直された方も多いのではないでしょうか。
いざという時に守ってくれるのが保険です。
火災保険、地震保険の必要性について、いま一度ご説明しましょう。
火災保険と地震保険の補償内容の違い
単純な考え方として、家が火事になったら火災保険、地震で損壊したら地震保険が適用されます。
ただし同じ火災被害でも、地震が原因で発生した火事であれば地震保険の補償範囲なので、どちらに起因するかというところが大きな違いとなります。
火災保険の補償内容とは
火災保険でカバーできるのは、火事の損害ばかりではありません。
例えば、うちの会社で家を建てるお客様にオススメしているあいおいニッセイ同和損害保険の「ワイドプラン」であれば、落雷・破裂・爆発などによる火事もOK。
このほかに風災、雪害、水濡れなどによる被害も補償対象で、万一の際に家が受けたダメージの補修をほぼまかなっていけるプランとなっています。
ご希望により盗難や水害などについても補償範囲を広げることができます。
火災保険では補償の対象を「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財両方」の3つから選ぶことになります。
火災保険の補償の対象を「建物のみ」にしていた場合、火災で家財の損害があっても家財は補償されないので注意しましょう。
火災保険の豆知識 −類焼した時はどうなる?−
火災保険でけっこう気にする方が多いと感じるのが、自分の家の火が隣近所に燃え移ったらどうなるかということ。
基本的には、自分の保険を隣近所に適用する義務はありません。
類焼損害・見舞費用特約というオプションを付けていれば補償可能ですが、相手の家で火災保険に入っているとこれは使えず、相手側の火災保険を使ってもらうことになります。
保険はまず第一に自分たちを守るものというのが原則です。
地震保険の補償内容とは
対して、地震保険では地震による損害のみが対象。
とはいっても、地震に起因する火災、損壊、噴火による埋没、津波による流出といった被災内容も含まれます。
火災保険は日常生活の中で想定される広範囲の災害・損害に対応していますが、どの会社のどのプランでも、それだけでは地震に起因する被害を補填することはできません。
地震の被害に備えるのには地震保険の加入が必要です。
地震保険は、基本的に単独ではなく火災保険とセットで加入することになります。
補償の対象範囲は、火災保険の範囲が適用されます。
火災保険で「建物のみ」を対象範囲としている場合は、地震保険の対象範囲も「建物のみ」です。
「北海道は大きな地震が少ない」なんてもう言っていられなくなりましたし、僕の考え方としては火災保険と地震保険は1セット。
僕がこれまで担当した約40組のお客様に関しては、地震保険に入るかどうか悩むことすらなく、皆さんきちんと加入されています。
ちなみに、マンションの場合も地震保険に加入することができます。
持ち家の場合は「建物と家財両方」を補償の対象範囲としておくのが安心ですし、賃貸であれば「家財のみ」でも保険をかけておけば安心です。
もしもの時に備えて地震保険にもぜひ入っておくべきです。
火災保険と地震保険の「お金」の違い
先ほどのお話で、家が火事になった場合、何に起因するかによって火災保険での補償か、地震保険での補償かが決まるとご説明しましたね。
では火災保険と地震保険、補償金額や保険料控除については何が違うのでしょうか?
「お金」に関する違いも見ていきましょう。
補償金額
例えば漏電や誤引火などで家が全焼した場合、火災保険では最大で建物評価額の全額が保険金として支払われます。
では地震が原因の火災によって全焼した場合はどうなるでしょう。
地震保険については、よく「建物評価額の半額が地震保険金額のMAX」といわれますが、正確には「火災保険金額の50%が地震保険金額のMAX」。
火災保険で最大3000万円の保険金が出る設定であれば、地震保険では最大でも1500万円までしか設定できません。
さらに、建物評価額も時価、つまり使用して消耗した分が差し引かれて計算されるので、「地震保険で全部は直せない」という場合も。
他社のお客様のお話ですが、築1年で北海道胆振東部地震の被害に遭われた方で、修理費用に約2000万円かかるところ、地震保険を適用しても1200万くらいしか出ない、と判断されました。
残り800万をどうするかというと、またローンを組むしかないのだそうです。
では「全額出ないなら地震保険に入るのは保険料がもったいない」と考えますか?
一番怖いのは全額実費負担。
住宅ローンに加え、さらに修理費用のローンとなると負担はかなり大きいですよね。
「半分しか出ない」のではなく「半分は国が出してくれる」と捉えると、地震保険の大事さをわかっていただけると思います。
保険料控除は地震保険のみ!
かつては損害保険と火災保険は同じ括りで考えられていましたが、2007年にその括りが撤廃されて、火災保険の控除はなくなりました。
ですから現在、火災保険料は控除の対象外。
一方、地震保険は控除可能ですので、年末調整の時期に申告をお忘れなく。
ちなみに、地震保険控除を受けるには「地震保険料控除証明書」が必要です。
保険会社から送付されるものですが、紛失した場合などは早めに再発行をお願いしましょう。
火災保険と地震保険の選び方
火災保険と地震保険の違いがわかってきたところで、それぞれの選び方についてもポイントをお伝えします!
火災保険
火災保険を選ぶ際は、建物の評価額に合ったものを選ぶ、オプションは本当に必要かどうか検討する、の2点が大切です。
保険の補償対象範囲に建物を含める場合、建物の評価額に合った保険を選びましょう。
例えば評価額2000万円の建物に対して、保険金の最高額が3000万円の保険を契約したとします。
建物が火災でで全壊したとしても、この場合は建物の評価額である2000万円までしか補償されません。
逆に保険金が低すぎるものにも注意です。
例えば2000万円の家を建てたけれど、保険はそれほど使わないだろうと保険金額の上限を1000万円に設定して保険料を抑えようとする方もいるかもしれません。
でも万一火事で全焼した時、1000万円では元のような家は建ちませんから、こういう節約の仕方はオススメしません。
ハウスメーカーの担当者が「これくらいの保険金額で設定されては」と提案するところは案外妥当なので、ぜひそれを参考になさってください。
また、補償範囲が適切か確認することも大切です。
火災保険は基本の補償にプラスして、水災や物体の衝突、盗難など様々なオプションを付けることが可能です。
ですがオプションを付ければ付けるほど保険料は高くなります。
オプション補償を付ける場合は、それが本当に必要かしっかり考えるようにしましょう。
地震保険
実は地震保険は選ぶことができません。
地震保険は個々の保険会社ではなく、国の制度として整備されているものだからです。
保険会社により若干の割引がある場合もあったり、一括で支払うと安くなったりという場合もありますが、基本的には保険会社は違っても保険料はほとんど変わりません。
ただし、住んでいる地域や建物の種類(木造か鉄骨かなど)で保険料は異なります。
住んでいる地域が地震のリスクが比較的低く、耐火性の高い建物であれば保険料は安くなります。
逆に地震のリスクが高く、耐火性の低い建物であれば保険料は高くなるというわけです。
また補償内容は、加入している火災保険によって異なります。
火災保険を選ぶ際には、地震保険のことも考慮しておくのがベストです。
火災保険と地震保険、どちらも加入がおすすめ!
一般的に保険料をなるべく安く抑えたいという方は多いですが、今年6月に家を建てた僕自身、火災保険のように最低限でも家と自分たち家族を守る補償は必要だなと感じています。
そして日本は地震の多い国でもあります。
どこに住んでいても、地震の被害を受けるリスクはあります。
火災保険だけでは、補償範囲も保険金額も不十分です。
被害を受けた時に少しでも負担を減らせるよう、地震保険についても、やはり火災保険と併せて加入すべきです。
修理費用を少しでも軽減してくれる保険と考えると、半額でも国から出してもらえることで助かる方はかなりいらっしゃると思いますよ。
火災保険を選ぶ際には、適切な保険金額か、適切な補償範囲かをしっかり確認し、地震保険のことも考慮して選ぶようにしてくださいね!
保険は大切な家族の生活を守るためのものでもあります。
家の保険に悩んだら、札幌COZYのお家の相談窓口でもご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください!