新築住宅はオール電化とガス併用どっちにするべき?
こんにちは。COZYの有富です。
「新築住宅を建てよう」と決めたところで、熱源をオール電化にするか、ガス+電気の併用にするか迷う方もいらっしゃると思います。
家族構成や使い方にもよりますから一概には言えませんが、考え方のポイントとなってくるのは光熱費と使い勝手。
一つ一つ解説していきますので、決断の参考になさってください。
新築住宅はオール電化?ガス併用?料金ではどちらがお得か比較
オール電化にするか、ガスと電気の併用にするかで、一番気になるのは毎月の出費となる光熱費ですよね。
答えから言ってしまうと、個人的にはやっぱりガス併用のほうがお得だと思います。
オール電化となると、光熱費はすべて電気料金として計上されますが、「ご夫婦とお子さん2人」というCOZYのお客様の平均的な家族構成で5~6万円/月。
これに対してガス併用だと灯油も使えるので、合わせても3~4万円/月で収まるケースが一般的です。
2022年3月現在、灯油価格は上がっていますが、それでもまだオール電化よりガス併用の光熱費が安いです。
基本料金の面では、オール電化なら電気代として1本化できるところ、ガス併用だとガスの基本料金もかかってしまいます。
ですが、基本料金のことを気にするよりも、住宅設備を効率よく使うように心がけるほうが節約につながる可能性が高いと思います。
例えば、外出時はパネルヒーターの温度設定を最小に下げておくとか、そういったことで光熱費を抑える工夫ができるのはガス併用のほうですね。
こちらの記事では光熱費の節約術を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
オール電化&ガス併用の新築住宅、メリット・デメリットを比較
新築住宅を建てる際、オール電化とガス併用とでどんなメリット・デメリットがあるか考えてみましょう。
オール電化のメリット
まずは、オール電化のメリットをご紹介します。
■光熱費の支払いを一本化できる
光熱費全体が「電気の基本料金+使用量分」の支払いとなるので、家計管理がしやすいです。
■IHコンロは掃除が楽かつ安全
IHコンロは表面がフラットなので、掃除がしやすいと好評。
また、火を使わないので調理中に火災が起こるリスクも下がります。
ガス併用でも、コンロだけIHにしたいという方はしばしばいらっしゃいます。
オール電化のデメリット
オール電化のデメリットについても確認してみましょう。
■停電時に不便
すべての住宅設備が電力で動いているため、停電時には何も使えなくなってしまいます。
■初期費用やメンテナンス費用が高くなりがち
オール電化にソーラーパネルを導入すると効率は良いですが、初期費用がかさみます。
特に北海道は雪が降るので冬場の発電がほとんど見込めない上、パネルに積もった雪をよけようとして傷をつけ、補修に100万円かかったなんていうこともよくあります。
ガス併用のメリット
ガス併用のメリットのご紹介です。
■災害時でも温かい食事がとれる・お湯が沸かせる
2018年の北海道胆振東部地震による全道停電が発生しました。
あの時にガスが使えるありがたさを実感した方はとても多いと思います。
熱源を分けておけば「電気がダメでもガスが使える」と選択肢が増えるので、いざという時に安心です。
■ガス+電気でお得な設備が使える
北ガス(北海道ガス株式会社)の「エコジョーズ」という設備は、少ない量のガスで効率的にお湯を沸かす省エネ性能の高い給湯器。
エコジョーズに同じく北ガスの「コレモ」という設備を組み合わせて使うと、暖房を使った際に発電し、その電力を使えます。
電気が余ったら売電もできるので年間光熱費がかなりお得になりますよ。
初期投資が必要という点ではソーラーパネルと同じですが、暖房期間の長い北海道ではコストパフォーマンスに優れています。
「エコジョーズ」や「コレモ」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムもぜひご覧ください!
家庭でガスから電気をつくる「コレモ」で もっとお得に賢い暮らし!北ガスショールーム探検vol.1
天然ガスで自家発電も。「エコジョーズ+コレモ」で始める新築一戸建て省エネ生活!北ガスショールーム探検vol.2
ガス併用のデメリット
ガス併用のデメリットは以下のとおりです。
■基本料金が別途かかる
月々の基本料金が電気とガス両方にかかってくるので、それを損だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが前の項目でも述べたように、ガス併用のほうが使い方次第で光熱費節約の工夫ができるという面もあります。
■火を使うので注意が必要
小さいお子さんがいらっしゃるご家庭だと、火を使うガスコンロは心配の種になることも。
もちろん普通に使っていれば火事になるようなことはないでしょうけれど、調理中は子どもから目を離さない、調理の際に燃えやすいものを近くに置かないなどといった基本の対策は必要です。
新築住宅はオール電化かガス併用か迷う…我が家はどっちが向いている?
ここまでオール電化とガス併用との比較をしてきましたが、結局どちらが良いかはそれぞれのご家庭がどんな使い方をしたいかというところに尽きます。
ただ、北海道に暮らす僕からすると、個人的な意見としては北海道で新築住宅を建てるならガス併用がおすすめかな…と。
冒頭で「ポイントは光熱費と使い勝手」とご説明しましたが、月々の光熱費を抑えたいという方にはガス併用に灯油を使う方法がベストだと思います。
使い勝手についても、特に災害時のインフラ確保という意味では熱源を電気に一本化せず、分けておくのが安心ですね。
正直言って、オール電化をおすすめしたいというケースはほとんど思いつきません。
ちなみに、ガスを選ぶ際に「都市ガスかプロパンガスのどちらが良いか」というところで「都市ガスのほうが安い」とこだわる方もいらっしゃいますが、札幌市内では世帯の9割がプロパンガスの供給を受けています。
新興住宅地として開発された東雁来やあいの里、平岡などのいわゆる造成地は都市ガスが引かれていますが、ほとんどがプロパンなんですね。
賃貸にお住まいだと大家さんがプロパンガスの業者さんと契約して、「基本料金+管理費」のように各戸のガス料金を決めているので、都市ガスと比べると「プロパンは高い」と思い込みがち。
でも自分のお家を建てれば自分でプロパンの業者さんを比較検討できますし、戸建てでプロパンと都市ガスとの料金を比較すると、月に2,000円くらい都市ガスのほうが安いという程度なんです。
もちろん「その2,000円が大きい」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、札幌市内で1割しかない都市ガス供給エリアで土地を探すのはとても大変。
ほかのお家づくりで必要な条件を優先させたほうが良いように思うのです。
…このように、お家づくりはどこに自分の価値観を反映させるかが重要です。
光熱費については、こちらのコラムもあわせて参考にしてみてくださいね。
光熱費が値上がり!抑える方法を灯油・電気・ガス・水道料金で解説
北海道の新築ではオール電化よりガス併用が主流で災害時にも安心!
新築住宅はオール電化とガス+電気併用のどちらが良いかの選択なら、光熱費の面ではガス+電気併用のほうが安く抑えられますし、節約の工夫もやりようがあります。
オール電化のメリットは光熱費の支払いを一本化できることや、IHコンロは掃除がしやすく安全であるところ。
デメリットは停電すると使えなくなることや、オール電化に組み合わせて使われることの多いソーラーパネルは、北海道では実力を発揮しづらいということです。
ガス併用のメリットは、災害時でも調理や湯沸かしができることや、ガス暖房時に発生した熱を電力に変換する設備を導入すれば月々の光熱費もお得になること。
デメリットは電気料金と別にガスの基本料金がかかることや、ガスコンロは火を使うので注意が必要だということがあります。
家族構成や使い方によっても変わりますので、それぞれのご家庭で使いやすいほうを選んでいただくことがベストですが、北海道に暮らす僕としては「北海道で新築住宅を建てるならガス併用がおすすめです」と言いたいです。
オール電化かガス併用か迷ってこのページにたどり着いた方でも、「オール電化かガス併用か」の2択だけで土地や間取りを決める方はいらっしゃらないはず。
お客様一組一組の希望を伺い、総合的にアドバイスするのが僕たちハウスメーカーの役目でもありますので、悩んでしまったときはお気軽にハウスメーカーに相談してみてくださいね。