ウッドショックとは?いつまで続く?原因や影響、今後の見通しも
こんにちは。COZYの井桁です。
2021年の春あたりから「ウッドショック」という言葉がちらほら報道されるようになってきました。
2022年6月現在でも、ウッドショックの影響はいまだ日本の住宅業界の不安の種となっています。
今回は、ウッドショックとはどんな現象なのか、その原因について解説。
ウッドショックがみなさんのお家づくりにどう関わってくるのか、その影響がいつまで続くのかといった今後の見通し、家の建て時を決めるポイントについてもご説明します。
2021年~現在に至るウッドショックとは?原因と経緯を解説!
現在起こっている建築用木材の価格高騰のことを「ウッドショック」といいます。
ウッドショックの直接的な原因は、コロナ禍の影響で輸入木材がなかなか入ってこなくなったことでした。
輸入木材が入ってこなくなってしまった要因の一つは、海外での建築需要の増大。
建築用木材に関して日本最大の輸入相手国であるアメリカでは、コロナ禍を受けて郊外に戸建て住宅を建てる人が増えたといいます。
アメリカ国内での需要が高まれば、輸送費などが余分にかかる輸出分が減らされるのは自然なこと。
さらに、いち早く感染拡大を抑え込んで経済を立て直した中国は、もともと木材の輸入においては世界最大規模の市場でした。
その中国では経済回復にともなって建築需要も一気に増えたため、世界で生産される木材の多くが中国向けに出荷されたといわれています。
このほかに、ネットショッピングの利用が急増して木材を海外から輸送する際に必要なコンテナが不足したこと、ロックダウンにより海外製材工場が稼働しなくなったことなど、さまざまな事情が重なって日本に入ってくる木材が少なくなってしまっています。
それだけでなく、アジア地域に工場がある住宅設備機器の製造が止まるといったこともあったため、住宅業界では木材以外の資材や部材の流通の遅れも「ウッドショック」という言葉で表現するようになりました。
そして2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからは「第二次ウッドショック」ともいえる現象が再び世界へ影響を及ぼし始めています。
ウクライナ侵攻を非難する国々が経済制裁としてロシアとの交易をさまざまな品目にわたって停止しましたが、ロシア側も輸出を禁じるといった対抗措置を取りました。
ロシアは世界有数の森林大国ですから、主要産業の一つといえる木材の輸出も封じられたことになります。
日本は主にアメリカ、カナダ、ニュージーランドなどから木材を輸入しているので、ロシア産木材に関してはあまりピンとこないかもしれませんが、ウクライナ侵攻の影響ですでに燃料が高騰していることはみなさんご存じの通り。
これが今後建材の輸送コスト増につながる可能性は高く、その点も注意深く見ておく必要があります。
ウッドショックが日本の家づくりに与える影響とは?
ウッドショックが日本の家づくりに与える影響は、大きく2つあります。
まず第一に海外から木材や資材、住宅設備が入ってこなくなり、工事に遅れが出て工期が延びること。
僕たちの会社では元々アメリカに木材の流通ルートを確保しているので建築木材は安定供給できていますが、昨年7月、ベトナムのロックダウンによって住宅設備関係の工場が稼働しなくなり、ボイラーなどの納期が遅れたということがありました。
2022年5月現在も、IHクッキングヒーターがなかなか納入されないといったことが起きています。
第二に、建材の価格が高騰すること。
需要が供給を上回ると、どうしても価格が高くなってしまいます。
さらに先ほども触れたように、ロシアから木材を買っているかどうかに関わらず、輸送コストの増加分が価格へ転嫁されることは珍しくありません。
物流は時間が経てば回復するかもしれませんが、上がった価格はおそらく元には戻らない。
というのも、コロナ禍もウクライナ侵攻もまだ何も起こっていないうちから物の価格が年々上がり続けているからです。
2022年現在、僕は入社5年目になりますが、1年目、2年目と月日が経つごとに建材の価格は少しずつ上がっていきました。
コロナ禍やウクライナ侵攻はそれが目に見えてわかりやすく上がるきっかけとなったに過ぎず、そう考えると「元に戻る」という表現自体に違和感を覚えます。
ここ数年の流れを見ていると、コロナ禍やウクライナ侵攻が収束したからといって価格が下がるということはまずないでしょうし、せいぜい微増の状態に落ち着くだけだろうと予測できます。
ウッドショックはいつまで続く?今後の見通しや家の建て時も確認!
コロナ禍は少しずつ落ち着いてきたように思えますが、ウクライナ侵攻は専門家でも意見が分かれていて、いつ収束するのか見通しが立ちません。
ですから、お家づくりを考えているなら「ウッドショックが収まったら」なんて言っていたら本当にいつになるかわかりませんし、「待てば建築費が安くなるかも?」と考えるのも先ほど書いたように期待できない状況です。
僕たちが一番お客様にお伝えしたいポイントが「ウッドショックに惑わされず、ちゃんと自分たちの時期を見極めてください」ということ。
新築住宅を建てたいならウッドショックの影響はどうしても出てきてしまいますから、工事の遅れや金額の変動をチェックするのは確かに大切です。
でも、「なぜ今家を建てたいのか」というところを、もう一度しっかり考えていただきたいんです。
もうすぐ生まれる赤ちゃんが泣いても気を遣わなくていい環境で暮らしたいとか、小さいお子さんをのびのび遊ばせたいとか、車のコレクションなど自分の趣味を充実させる場所が欲しいとか。
こういった目的をはっきりさせて「ああやっぱり今、家が欲しいな」と思えるなら、それが「家の建て時」だといえます。
理想の暮らしを具体的に思い描くことで、お家づくりのプランが具体的になります。
お家づくりのプランを基に、無理のない資金計画を立てていけば、ローンを返済しながらでもやりたいことを我慢せずに暮らすことができることでしょう。
そして、みなさんができるウッドショックへの対策としては、みなさんの希望を誠実に叶えてくれるハウスメーカーを見極めること。
例えば、木材の流通ルートを確保しているかどうかといったこともそうですし、工事が始まったらどういうことで遅れが出る可能性があるか、着工前後に建材の価格が急に上がった場合は総額がどうなるのか…などといったことを聞いてみるべき。
ハウスメーカーの担当者が、はぐらかさずにきちんと答えてくれる誠実さがあるかどうか、複数の会社を回って同じように尋ねてみるといいと思います。
時間が経てば経つほど価格は上がると思われますが、それだけを理由に「早く決めましょう」とせかしてくるところには冷静に対応して、自分たちの建て時を判断してください。
家の買い時・建て時については、こちらのコラムでも詳しくご説明しています。
家の買い時・建て時は?ライフスタイルの変化や市場動向から考えよう
COZY全体のコンセプトは「家はシンプルでいい」。
お家づくりは仕様・性能などの条件や金額で決めてしまいがちですが、一番大事なのは「住んだ後どうしたいか」。
そこに寄り添った提案をさせていただくために、家そのものはシンプルでいいと考えています。
住んでから後悔しない家、住んだ後でお客様一組一組にぴったりの暮らしが見つかる家、それがCOZYの目指すところです。
ウッドショックの原因を確認し、自分たちの「建て時」を見極めよう!
ウッドショックとは、コロナ禍による住宅需要増や流通の遅滞、各国のロックダウンなど複合的な要因で発生した世界的な木材・資材の不足及び価格高騰のこと。
2022年に入ってから、ロシアのウクライナ侵攻によってロシア産木材の流通が止まり、燃料価格の高騰も響いて、第二次ウッドショックとも呼ばれる状況へ移行しました。
日本の住宅業界でも木材不足が深刻な問題となり、ベトナムなどアジアの工場で製造されている住宅設備や機器が現地のロックダウンで納品されないために、工期が延びているといったことも起きています。
ロシアとウクライナの現状を見るに収束の見通しは立たず、ウッドショックもいつまで続くともわかりません。
だからこそウッドショックに惑わされず、自分たちにとっての「建て時」を見極めるのが重要です。
なぜ「今、お家が欲しい」のかをお客様それぞれがしっかり考えて、理想の暮らしを具体的に思い描くことでお家づくりのプランが具体的になりますよ!