住宅の太陽光発電の仕組みとは?メリット・デメリットも解説
こんにちは。COZYの石塚です。
近年、国が力を入れて普及に努めている太陽光発電。
北海道でも導入を検討する家庭が増えており、COZYのお家は太陽光発電システムを標準仕様として取り入れています。
今回は、太陽光発電の仕組みについてご紹介します。
導入する場合のメリット・デメリットなどもご紹介していきますので、これから新築を建てようと考えているみなさんは、ぜひ導入を検討してみてください。
住宅の太陽光発電の仕組みとは?
ソーラーパネルはみなさんあちこちで見かけたことがあると思いますが、あの黒いパネルがどうやって電気を生み出すのか疑問に思う方もいるでしょう。
あのパネルには、シリコン半導体というものが埋め込まれており、これに光が当たると電気が発生するという性質を持っています。
太陽の光エネルギーはソーラーパネル上で直接電気エネルギーに変換されているというわけです。
ただ、ここで生み出されている電気は直流電気といって、電力会社から家庭へ供給されている交流電気とは性質が異なります。
冷蔵庫や洗濯機のようないわゆる大型家電は交流電気で動いており、これらを使えるようにするためにはパワーコンディショナーという機械で直流電気を交流電気に変換する必要があります。
ですから住宅の太陽光発電システムは、ソーラーパネルとパワーコンディショナーをセットで使うことが基本です。
ちなみに、パソコンやスマートフォンなどの小型家電は直流で動きますが、おなじみのACアダプターの「AC」は交流電気のこと。
コンセントから流れてくる交流電気を、アダプターを介して直流に変換して使っているのです。
また、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する際、「変換効率」という指標が使われます。
変換効率は、ソーラーパネルに当たる光をどれだけ電気エネルギーに変えられるかを数値で表したものです。
COZYで現在採用している「Qセルズ」という太陽光発電システムでは、20.8%となっています。
市販品の平均だと20%前後ということですから、ちょっと超えているという感じですね。
太陽光発電を住宅に設置した場合の1日当たりの発電量
太陽光発電システムを導入すると、1日にどれくらい発電するかも気になるところだと思います。
ただ、具体的な数字を出すのは非常に難しいのです。
なぜかというと、ソーラーパネルの数や日当たりの良さ、季節や気温など、さまざまな条件によって変わりますし、製品そのものの性能によっても差があるからです。
そういう前提であえて言うならば、COZYで使っているシステムだと年間で推定3,248kWhという試算が出ています。
夏と冬とでは結構変わると思いますが、単純に1日当たりの平均値を出すなら3,248kWhを365日で割って約8.9kWh。
家庭で1日に使う電気の量は、家族構成や在宅時間、使い方によってまちまちですが、一般的に6~15kWhといわれています。
そう考えると、1日に使う電気を全部太陽光発電で賄える家庭は割と多いと思われます。
余った電気は売ることもできるので、電気会社から買う電気の代金と相殺すると、ある家庭ではちょっとお得だったり、ある家庭では差し引き0円になったり、またある家庭では2,000~3,000円プラスになったりすることもあるでしょう。
売電は、国によって毎年の金額が決まっている「FIT買い取り価格」に基づいて取引することができます。
FIT買取価格は年々下がっており、2024年度は16円/kWh、2025年度は15円/kWh。
FIT買取価格の適用は太陽光発電システム導入から最大10年間と決まっていて、導入時の金額がその後10年間反映されます。
11年目からはFIT買取価格での取引ができなくなるため単価が下がり、収入も半分くらいに減ると予想されています。
売電収入もやはり条件次第ですが、売る電力量にFIT買い取り価格の金額をかけるだけ。
仮に2024年度内に太陽光発電システムを導入した方が1日2kWhの余剰電力を売るとするなら、2kWh×16円/kWh=32円の利益が出ることになるでしょう。
COZYでは年間の試算が出ていて、それによると年間約7万8,000円お得になるとのこと。
ただしこれは売電だけでなく、太陽光発電によって作り出された電力を自家消費することにより、電力会社から買わずに済んだ電気の料金も含めています。
太陽光発電を住宅に設置するメリット・デメリット
太陽光発電を住宅に設置するメリット・デメリットについてもご紹介していきます。
太陽光発電を住宅に設置するメリット
やはり最大のメリットは光熱費を抑えられること。
今後も電気代が高騰していくのではと見られている中、少なくとも太陽の光が当たっている間は電気代をかけずに家電を使うことができるのは大きいですよね。
また、災害などで停電した際の備えとしても心強いものがあります。
夜間も太陽光発電で作った電気を使いたいという方は蓄電池を検討しても良いと思います。
しかし、そこまでしなくてもポータブルバッテリーを昼間に充電しておいて、夜はそれでスマートフォンなど最低限の電気製品を使うというふうにしても十分便利だと思いますよ。
蓄電池は寿命があるため、初期投資の額を回収できるかと考えると現段階では微妙なところ。
もし良かったら、こちらのコラムも読んでみてください。
太陽光発電は蓄電池併用がおすすめ?メリット・デメリットを紹介
太陽光発電を住宅に設置するデメリット
一方、デメリットでは初期投資がかかることがまず一つ。
ものによりますが、住宅用の太陽光発電システムの現在の相場は100万円~120万円ほどです。
しかし、国が再生可能エネルギーの活用に積極的ですから、自治体の中には太陽光発電システム導入時に補助金を出すところも増えています。
このコラムでもご紹介した発電効率も、2013年頃は平均16%くらいだったのがこの10年ほどでだいぶ上がってきています。
以前は「太陽光発電を付けても元が取れない」といわれていましたが、今はコストが下がってリターンも大きくなってきているという状況です。
もう一つのデメリットは、特に道央圏では積雪の影響で冬場の発電が期待できないということ。
でも、北海道が太陽光発電に向かないかというと、実はそうではないんです。
太陽光発電は、逆に暑すぎても発電効率が下がるもの。
昨今の気温上昇により、むしろ夏場の北海道は本州以南より効率よく発電できる地域になってきています。
あとはこれらのメリット・デメリットを、みなさんのご家庭でどう捉えるか次第です。
メリットのほうが大きいと感じるのであれば、導入する方向で検討してみてもいいのではないでしょうか。
住宅用太陽光発電の今後の展望
太陽光発電は、今後さらに普及していくと見られています。
実際、東京都や神奈川県川崎市では、2025年度から新築住宅に太陽光発電システムを設置することが義務化されることが決まっています。
日中は仕事や学校で誰も家にいないから太陽光発電は不要だと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、冷蔵庫のように常に電力を消費している物もありますし、家電がスマート化している今の時代だからこそ、太陽光発電をお得に使える場面も増えてきたと僕は思っています。
食洗機は朝家を出る時にスイッチを押せば帰宅までに洗い上がっているし、外出中でもロボット掃除機が床をきれいにしてくれる…これらの家電の電気代がかからなくなるのです。
FIT買取価格が外れる11年目からは、そうしてどんどん自家消費するための工夫を考えていけばいいと思うんですよね。
COZYのお客様の中にも「北海道では使えないでしょ」「何となく面倒」「メンテナンスの手間が増える」などと懐疑的な方もいらっしゃいますが、実際に太陽光発電システムを使ってみると「付けて良かった」と言ってくださる方が大半です。
僕が担当するオーナー様の元へ久しぶりに遊びに伺った時には、「もうだいぶ電気代が浮きました」と喜びの声を直接お聞きできたので嬉しかったです。
また中には、「売電で電気代をかなり抑えられているおかげで電気料金の明細を見るのが楽しみ」とおっしゃるオーナー様もいらっしゃいました。
太陽光発電システムの性能が向上するのに伴って、保証期間も長くなってきています。
導入を決めるとまではいかなくても、太陽光発電について最新の情報を集めてみると、一昔前とは違った印象を抱かれるのではないでしょうか。
住宅の太陽光発電の仕組みを理解して導入を検討しよう
ソーラーパネルで太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変え、パワーコンディショナーで家庭で使える交流電気に変換するのが住宅用太陽光発電システムの基本。
この電気を自家消費することで購入する電気を減らすことができ、光熱費の節約につながります。
余った電力は売ることもできるので、中には利益が出るご家庭も。
メリット・デメリットはそれぞれありますが、かつて「北海道で太陽光発電は使えない」といわれていた頃とは違い、現在の太陽光発電システムは性能が上がっています。
雪が積もると確かに厳しいとはいえ、以前よりも気温が上昇した今の時代、夏は暑すぎる本州以南よりも北海道のほうが効率よく発電できると考えられているのです。
今後はますます普及していくと思いますし、東京都などのように太陽光発電システムの設置が義務化される自治体が増えていくかもしれません。
COZYのお家に標準仕様で付いてくるのは、北海道の気候と似たドイツ生まれの「Qセルズ」という太陽光発電システム」。
「使ってみたいけれど補助金はもらえるのか」「うちだったらどんな使い方ができそうか」など、疑問をお持ちの方にはできる限りアドバイスしますので、気軽にご相談にお越しください。