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2021.05.02 宇佐美 清貴

贈与税、親から新築一戸建て購入の資金援助は非課税になる?最新の知識とは

家を買う お金のこと

こんにちは。COZYの宇佐美です。

 

当社へご相談に来るお客様の中には「今後のことを考えると親のためにも」と二世帯住宅を検討する方がいらっしゃいます。

その際、親御さんが「資金は大丈夫なの?」と一部負担を申し出るケースがあるんですよね。

お客様としては「親がお金をくれるって言ってるけど、贈与税がかかるんでしょ?高いんじゃない?」と不安に思うこともあるようです。

資金援助してもらえるのだから喜ぶべきところなんですが、確かに、贈与税の税率ってけっこう高いんです。

でも、2019年10月から施行される消費増税の転嫁措置の一つとして、贈与税の仕組みも見直されました。

知らずに損したなんていうことがないように、贈与税に関する最新の知識を身につけておきましょう。

 

 

新築住宅で贈与税の非課税措置が適用される条件は?

まずは贈与税の非課税措置が適用される条件を確認していきましょう。

 

1.直系尊属から贈与を受けたこと(養子縁組をしている場合を除き、配偶者の父母・祖父母は該当しない)

2.贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること

3.贈与を受けた年の所得税課税分の所得金額が2000万円以下であること

4.平成21〜26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けていないこと(一部例外あり)

5.配偶者や親族などから住宅用の家屋を取得していないこと。あるいは配偶者や親族などとの請負契約等によって新築・増改築をしていないこと

6.贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用家屋の新築等をすること(自ら「住宅用家屋」の所有者にならない場合は適用不可)

7.贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(一部例外あり)

8.贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、またはその後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること(贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していない時は適用外。要修正申告)

 

一般に注目すべきは上記の1と6かなと思います。

1に書いてある「直系尊属」とは自分より上の世代で、直接その前の世代につながっていく親族のこと。

自分から見て父母・祖父母・曾祖父母がそれに当たり、伯父(叔父)・伯母(叔母)・兄・姉などは含まれません。

 

6で言うところの「3月15日」というのは、毎年の確定申告の提出期限のことです。

贈与税を非課税とするためには、確定申告の際に自分で申請することが必要です。

条件に合えば自動的に適用されるわけではないので注意してください。

 

また、家屋についてもいくつか条件があり、新築住宅であれば「床面積が50平方メートル〜240平方メートルの範囲内で、かつその2分の1以上が贈与を受ける人の居住用であること」をクリアしていないといけません。

二世帯住宅を建てる際、こちらは夫婦2人でも、親と同居している親族がいたりするとそちらを広くしがちです。

半分以上は贈与を受ける側が住むスペースということになっていないと条件から外れてしまうので、覚えておいてください。

 

二世帯住宅についてはこちらの記事で解説しています。二世帯住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。

新築二世帯住宅が成功する間取り例!間取り別のメリット・デメリット

 

消費税増税で贈与税の非課税枠が”お得”に!

お金と電卓とTAXのブロック

消費税率引き上げに対する緩和措置として「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」が見直された最大のポイントは、贈与額の非課税枠が増えたこと。

家の新築・増築等のための資金を贈与された場合、非課税枠には上限が設けられていて、贈与税はその枠を超えた金額にかかってきます。

 

この枠の上限が、2019年4月の工事請負契約締結分から大幅に引き上げられたのです。

 

2016年1月〜2019年3月までに新築住宅(一般住宅)の工事請負契約を済ませた場合、贈与額の非課税枠は700万円が上限でした。

もしもその家が省エネ、耐震、バリアフリーいずれかを高い水準で満たす「質の高い住宅」であれば上限は1200万円。

 

これらが2019年4月から2020年3月までの工事請負契約締結分については、一般住宅で2500万円、質の高い住宅で3000万円までは非課税ということになったのです。

つまり、住宅購入資金として親からもらうお金が2500万円以内だったら贈与税を支払う必要がないのです。

ちなみに、このあと2020年4月から2021年4月は一般住宅1500万円/質の高い住宅1000万円、2021年4月〜12月は一般住宅1200万円/質の高い住宅800万円と徐々に上限額が下がっていきます。

 

 

例えば3000万など、非課税枠を超えた住宅への贈与の場合は?

「月々お家賃並みの返済」が売りのCOZYや同価格帯のお家を建てようとしている人の中で、一般住宅の非課税枠2500万円を超えて贈与を受けるという人は、おそらくそれほど多くないと思います。

それでも、例えば親御さんが「3000万円出すよ」と言った場合はどうなるか考えてみましょう。

 

贈与税の計算方式は「暦年課税」「相続時精算課税」の2つがあります。

 

暦年課税方式では、1月1日〜12月31日の1年間に贈与を受けた額に応じて税率が異なり、基礎控除として110万円が引かれます。

税率は贈与を受ける人の年齢や贈与する人との関係性などによっても違ってくるのですが、ここでは「20歳以上の人が親から500万円を贈与された」として計算します。

「住宅取得等資金の贈与税の非課税」のあらまし

引用元:国税庁「住宅取得等資金の贈与税の非課税」のあらまし(PDF)

 

支払うべき税金の額を算出する計算式は「(贈与額−基礎控除110万円)×税率−控除額」ですから、

(500万円−110万円)×15%−10万円=48万5000円

というわけで、48万5000円を贈与税として支払わなければなりません。

仮に非課税の申告をしなかった場合、上記の式で3000万円の贈与額として計算してみると、税額はなんと986万円。

 

相続時精算課税では住宅特別控除枠が2500万円となっていて、贈与額がそれを超えると一律20%の税率で算出されます。

ですから、こちらは(3000万円−2500万円)×20%=100万円の税額です。

暦年課税方式よりだいぶ安いのですが、こちらに関しては60歳以上の親から20歳以上の子へ贈与されることをはじめとした条件があります。

メリット・デメリットについてもやや複雑になりますので一概にこちらがいいとも言えず、今回は詳細を省きますが、いずれにしても多額の税金を取られることを考えると、申告の手間を惜しんではいけませんよ!

 

ちなみに、贈与税は金銭以外のもの、つまり土地や物品にもかかる税金ですが、親が自分の名義で持っている土地に子が家を建てる場合は贈与税はかかりません。(借地となるとまた話が違いますが、それは別の機会に…)

 

 

住宅への贈与を受ける際、贈与税を少しでも得する方法

一万円札

 

枠を超えたら「親から借りる」

先ほどの例のように3000万円の贈与を受ける場合、課税対象の500万円の扱い方によっては税金を支払わなくて済む方法があります。

非課税枠の上限2500万円まではしっかりと申告を済ませ、500万円は借用書を作成して「親から借りた」という形にするのです。

こうすれば枠を超えた500万円は金利に影響されず、10年かけて返済するとして1年で50万円払えばいいし、親が相手であれば気が楽です。

一点注意すべきところは、税務署のチェックが入った場合に備えて、借用書を作成しておくことが非常に重要だということです。

 

 

全額現金払いの損得は考え方次第

3000万円の贈与があれば、住宅取得費用の全額を現金払いにできる可能性もあります。

ですが、住宅ローンを組まないことによって住宅ローン控除が受けられないことをデメリットと感じる人もいるでしょう。

住宅ローン控除が適用されると最長13年にわたって所得税や住民税の還付金が得られます。

人間心理として「返ってくるお金」というのはうれしいものですが、金利の問題もありますし、最終的な収入と支出を比較した時、結果的に得なのか損なのか、今はなんとも言えません。

このあたりはケースバイケース、人それぞれの考え方でしょう。

 

 

「質の高い住宅」にすれば非課税枠がアップ

前述した「質の高い住宅」は、以下のいずれかの性能を満たしていると証明されることで認定されます。

・省エネルギー性の高い住宅…断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上

・耐震性の高い住宅…耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物

・バリアフリー性の高い住宅…高齢者等配慮対策等級3以上

等級の認定には住宅性能評価・表示協会の基準に従って、審査と証明書の取得料金が必要です。

ハウスメーカーに相談の上、必要と判断したら審査を受けてみてもいいかもしれません。

 

 

暦年課税制度の基礎控除をうまく利用する

暦年課税制度では、1年間に110万円以内の贈与であれば課税されません。

毎年110万円ずつもらえば大丈夫、という考え方ですが、家を建てる何年も前から準備することは難しいので、個人的にはあまりおすすめしません。

 

 

「住宅が1軒分」の資金をもらっても、今なら贈与税の心配なし

これまでご説明した通り、現在から2020年3月まで、一般住宅を建てるための資金贈与が2500万円以内であれば贈与税はかからないことになりました。

そこまでの金額でなくても、親からお金をもらうことによって多額の贈与税が発生するんじゃないかと心配していた皆さんには朗報だと思います。

僕としては現在、贈与を受けることのデメリットはほぼないのではと考えています。

ただし、何度も言うように申告は絶対に必要ですから、贈与を受けた翌年の確定申告を忘れずに行ってください。

 

お金の問題はケースバイケースであることも多いので、まだ不安があるようでしたら、COZYスタッフがお客様それぞれ事情に合わせてご相談に乗りますよ!

このような増税後の新築住宅購入に関する疑問や、お家づくりのちょっとした疑問にも札幌COZYの新築一戸建て相談窓口でお答えしています。

どんな質問でも承っていますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

 

 

宇佐美 清貴

この記事を書いた人

宇佐美 清貴USAMI KIYOTAKA

皆様 こんにちは!
 COZY事業部 営業の宇佐美です!

 1児のパパやってます!
 子供が生まれる前はどう接したらいいか全くわからなかったですが、
 生まれて抱っこした瞬間に赤ちゃん言葉で話しかけてました!笑

 楽しくお話しできたらと思っていますので、
 何でも話します!そして何でも話してください!

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